免疫力UPのカギ! ”腸”を整える、日本古来の発酵食品のすすめ
近年、健康や美容のキーワードとして「免疫力」や「腸活」が注目されています。特に季節の変わり目や寒くなる時期は、風邪をひきやすかったり、なんとなく体調がすぐれなかったりしがちです。そんなときこそ、私たちの免疫システムの約70%が集まっている「腸」に目を向けてみるといいかもしれません。
腸内環境を整えることで、体調の維持や気分の安定をサポートしやすくなります。日本には古来から、腸内フローラ(腸内細菌叢)のバランスを支える「発酵食品」が親しまれてきました。この記事では、免疫力の鍵を握る腸と発酵食品の関係、そして私たちの食生活に簡単に取り入れられる発酵食品の種類や効果について詳しくご紹介します。
腸と免疫力の深い関係
腸は、単なる消化器官ではありません。免疫細胞の約7割が腸に集まっているとされ、腸内環境が健康であることが、体全体の免疫バランスを保つうえで重要な役割を果たしています。腸の状態が整うことで、免疫細胞がしっかり働く環境が整い、ウイルスや病原菌から体を守るサポートが期待されるのです【※1】。
腸内には「腸内フローラ」と呼ばれる細菌の集合体が存在しており、善玉菌、悪玉菌、日和見菌がバランスを取りながら生息しています。このバランスが崩れると、消化不良や便秘、肌トラブルなどの不調を感じやすくなり、逆に整っていると、体が軽く感じたり、リフレッシュした気持ちになったりすることもあります。
日本古来の「発酵食品」が腸に優しい理由
発酵食品とは、微生物の働きによって食材が発酵した食品のことです。日本の発酵食品は、味噌や醤油、納豆、ぬか漬け、甘酒など、さまざまな種類があり、長い歴史を通じて親しまれてきました。発酵食品には、乳酸菌や酵母菌といった微生物が含まれ、腸内の善玉菌をサポートしてくれると考えられています【※2】。
善玉菌の代表として知られる乳酸菌は、腸内で有用な働きをすることが多く、腸内環境を健やかに保つサポートをしてくれます。発酵の過程で生まれる有用な成分は、食材の栄養価を高めるだけでなく、独特の風味や香りも与えてくれるため、美味しく続けやすいのが特徴です。
さらに、発酵食品は胃や腸の消化吸収を助けるとも言われ、忙しい毎日の中でバランスよく栄養を摂取するのに役立つと考えられています。
日常に取り入れやすい発酵食品とその効果
それでは、日本古来の発酵食品の中で、日常生活に取り入れやすいものをいくつかご紹介します。
味噌
味噌は大豆を主原料にした発酵食品で、発酵の過程で乳酸菌や酵母菌が生成されます。味噌に含まれる酵母菌が腸内の善玉菌を助け、腸内環境のバランス維持に役立つと考えられています。毎日の食卓にお味噌汁として取り入れやすく、野菜や豆腐などの具材を変えることで、飽きずに続けやすいのも魅力です。
納豆
納豆は、発酵の過程で生成される納豆菌が、腸内で善玉菌の活動をサポートすることで知られています。納豆菌は強い生命力を持ち、腸まで生きたまま届きやすいとされるため、健康維持の一助になると考えられています。また、納豆にはビタミンKやタンパク質も豊富に含まれているため、毎朝のご飯のお供にぴったりです。
ぬか漬け
ぬか漬けは、米ぬかに野菜を漬け込むことで生まれる発酵食品です。ぬかの中には乳酸菌が豊富に含まれ、腸内の善玉菌をサポートしてくれると考えられています。ぬか漬けは、野菜をそのまま食べるよりも栄養価が増し、ビタミンB群や食物繊維も摂取できるため、ヘルシーな一品としておすすめです。
醤油
醤油は、豆や小麦、塩を原料に作られる発酵調味料で、特に大豆由来のイソフラボンやアミノ酸を含んでいます。醤油に含まれる成分には腸内環境のサポートが期待されることもあり、和食の味つけには欠かせない存在です。
発酵食品を取り入れる際のポイント
発酵食品は体に良いからといっても、毎日大量に摂る必要はありません。多く摂りすぎると塩分が過剰になったり、消化が追いつかなくなったりする可能性もあるため、バランスを意識することが大切です。たとえば、朝ご飯に納豆、お昼にぬか漬けのサラダ、夜ご飯にお味噌汁を添えるなど、少しずつ毎日の食事に分けて取り入れるのが理想的です。
また、保存料や添加物が含まれない、なるべく天然の発酵食品を選ぶことも重要です。無添加の味噌や天然醸造の醤油を選ぶと、発酵の力がしっかり生きているため、より健康的な栄養素を取り入れることができます。
発酵食品で「腸活」を習慣化しよう
発酵食品を日々の生活に取り入れることは、腸内環境のバランスを整えるうえで役立つ可能性があり、結果的に免疫バランスの維持にもつながると期待されています。また、日本の発酵食品は、味や香りが豊かで食卓に取り入れやすく、無理なく続けやすい点も大きな魅力です。
日々の食事の中で発酵食品を摂取する習慣を持つことで、腸を健康に保ち、体調管理にも役立てましょう。「腸が元気になると、気持ちも前向きになる」と言われるように、腸内環境が整うことで感じられる変化を楽しんでみるのも良いかもしれません。
【※1】参考文献: 「腸と免疫システムの関係」(国立健康・栄養研究所)
【※2】参考文献: 「発酵食品の健康効果に関する研究」(日本食品分析センター)