植物の力で人間本来の自然治癒力を高める「フィトテラピー」とは?
現代の忙しい生活やストレスによって、心と体のバランスが乱れがちと感じる方も多いでしょう。そんなとき、植物の力を活かして自然治癒力を高める「フィトテラピー(植物療法)」が注目されています。フィトテラピーは、ハーブや植物の成分を生活に取り入れることで、心身の健康をサポートする方法です。今回は、フィトテラピーの基本や、食事で植物療法を取り入れる方法、そして日本でこの療法の普及に貢献している第一人者・森田敦子氏(弊社 取締役会長)についてご紹介します。
自然治癒力を引き出す「フィトテラピー」とは?
「フィトテラピー(植物療法)」は、ギリシャ語の「植物」を意味する「フィト(phyto)」と、「療法」を意味する「テラピー(therapy)」から成る言葉です。植物の持つ香りや栄養成分、治癒力を活かし、人間が本来持つ自然治癒力を引き出すことを目指しています。フィトテラピーは、主にハーブや植物油、エッセンシャルオイルを使用し、リラクゼーションや健康促進を図る療法として、西洋を中心に発展してきました。
植物の成分には「フィトケミカル」と呼ばれる天然の化合物が含まれており、抗酸化作用や抗菌作用が期待されるものもあります。フィトテラピーでは、こうした植物成分を心地よい香りや成分として取り入れることで、心身の健康維持を図ります。たとえば、リラックス効果のあるラベンダーや、消化促進が期待されるペパーミント、リフレッシュ効果の高いレモングラスなど、植物によって多様な効果が期待されています【※1】。
植物の力で健康を支える「食事」としてのフィトテラピー
フィトテラピーは、アロマやスキンケアだけでなく、日常の「食事」から取り入れる方法も多くの人に親しまれています。植物由来の成分を食事に取り入れることで、自然と体のバランスが整い、心身のリフレッシュが期待できます。
例えば、ハーブティーは、フィトテラピーの一環として手軽に取り入れられる飲み物です。ラベンダーやカモミールのハーブティーはリラックス効果が高く、寝る前のひとときに飲むことで、穏やかな気持ちでリラックスできるでしょう。また、ペパーミントティーは消化を促す作用があるため、食後に飲むことで胃腸の調子を整えるサポートになります。
また、フィトテラピーでは食材としてのハーブや植物性の食材も重視されます。例えば、抗酸化作用があるローズマリーやバジルは、料理に加えることで香りを楽しみつつ、美容や健康に役立つ成分を取り入れることができます。ローズマリーの香りは血行促進効果が期待され、バジルは抗菌作用があるため、料理に加えることで美味しさと健康の両方をサポートします。
そして、植物療法の「食事」としての取り入れ方では、植物由来のオイルも欠かせません。オリーブオイルはその代表で、豊富な抗酸化成分が含まれているため、日常の調理に使うことで、自然に体の健康バランスを保つ助けとなります。生のままサラダにかけたり、スープに加えたりするだけで、シンプルに植物の力を日常に取り入れることができます。
フィトテラピーの第一人者、森田敦子氏(弊社 取締役会長)の活動
フィトテラピーを日本に広めた第一人者として知られるのが、弊社の取締役会長でもある森田敦子氏です。森田氏はフランスで植物療法の教育を受け、日本でフィトテラピーの知識を伝える活動を行ってきました。彼女はフィトテラピーを活かしたセルフケアや、心と体の自然治癒力を高めるための方法を数々のメディアや書籍を通じて提案しています。
森田氏は「自然と調和した生活をすることで、人間が本来持つ力を最大限に引き出せる」と考え、生活の中で植物を活用するさまざまな方法を紹介しています。著書『植物美人』(ワニブックス)では、植物の力を日常に取り入れるアイディアが豊富に紹介されており、多くの人に自然療法の魅力を伝えています【※2】。森田さんは、心身のケアに植物の力を取り入れることで、生活の質を向上させることを提案し、現代の忙しいライフスタイルに新たな視点をもたらしています。
フィトテラピーの取り入れ方:毎日の食卓と心のケアに
フィトテラピーを日々の生活に取り入れるのは、とてもシンプルです。特別な準備がなくても、食事や飲み物、香りなどを通じて、植物の力を手軽に楽しむことができます。ここでは、生活に簡単に取り入れられるフィトテラピーの方法をご紹介します。
① ハーブティーを日常に
リラックス効果のあるラベンダーやカモミールティーを飲む習慣をつけるだけでも、植物の力を感じることができます。穏やかな香りに包まれて飲むひとときが、忙しい日常に癒しの時間をもたらしてくれるでしょう。
② 料理にハーブをプラス
料理にローズマリーやバジルを加えることで、香りや風味を楽しみながら植物の成分を取り入れることができます。例えば、ローズマリーを鶏肉や魚の料理に加えると、血行促進が期待され、体の冷えを防ぐ助けになるでしょう。バジルはトマト料理やサラダとの相性が良く、抗菌効果をもたらしてくれるとされています。
③ オリーブオイルやハーブオイルを活用
植物由来のオリーブオイルを日常の調理やドレッシングに使うことで、抗酸化成分を自然に取り入れることができます。また、ハーブをオリーブオイルに漬け込んだ「ハーブオイル」は、サラダやパスタにかけるだけで風味豊かな味わいに変化し、食事を楽しむことができます。
④ アロマオイルで香りのケア
香りを生活に取り入れるのもフィトテラピーの一つです。特に、ラベンダーやゼラニウムなどのエッセンシャルオイルをアロマディフューザーで香らせることで、家にいながらリラックスできる空間が作れます。寝室やリビングで活用することで、リラックスした気持ちで心身を休める時間が増えるでしょう。
フィトテラピーで毎日に癒しと活力を
フィトテラピーは、植物の力を活かして人間が本来持つ自然治癒力を引き出す療法として、多くの人に親しまれています。日々の生活に植物を取り入れることで、ストレスが緩和され、心と体のバランスが自然と整いやすくなるのです。
森田敦子氏の提唱するフィトテラピーの知識やアイディアを参考に、毎日の生活に植物の力を取り入れてみましょう。朝のハーブティー、料理にひとつまみのハーブ、そしてリラックスしたいときのアロマオイル。これらを意識することで、自然と心身のバランスが整い、活力と癒しを感じられる生活が始まるかもしれません。
忙しい毎日の中で、植物の力を使って自分をケアする習慣を取り入れることで、日々の疲れが癒され、自然な形での健康維持が期待できます。フィトテラピーを通じて、自然の恵みを取り入れながら、心身の調和を保つ生活を始めてみませんか?
【※1】参考文献: 「フィトケミカルと健康の関係」(日本フィトテラピー協会)
【※2】参考文献: 森田敦子著『植物美人』(ワニブックス)